運送会社のアスファルト保護には何がおすすめ?コンクリート・敷鉄板・プラスチック敷板でのメリット・デメリット

- プラスチック敷板
運送業とは?
運送業とは、法人や個人から手数料(送料)を受け取って、人や荷物を目的地まで運ぶ仕事のことを指します。その中でも、物を運ぶ「貨物輸送」と、人を運ぶ「旅客輸送」があります。「貨物輸送」の中で、さらに貨物を積んだり下ろしたりする作業のことを「荷役」といいます。
運送業(荷役)でのお困りごと
配送トラックが20t以上を超えるため、会社の出入口やトラックが通る道のアスファルトがひび割れ、陥没してしまっている。アスファルトを舗装し直ししてもすぐヒビ割れてしまう。少しでも長持ちさせたいと考えている。
◉なぜアスファルトの劣化が起きるのか

アスファルトの劣化の原因は、さまざまな原因が複合的に関わっていると考えられています。
まず、交通荷重、温度変化や紫外線が原因で劣化したアスファルトにヒビが入ります。そのひび割れ部分から雨水が浸透することで、舗装されたアスファルトの下に空洞ができます。さらに交通荷重がかかると、ひび割れが亀の甲状に広がり、最終的にはポットホールと呼ばれる穴が空いてしまいます。
配送トラックが頻繁に通る会社の入り口では、交通荷重を防ぐことはできません。トラックの重さで少しのひび割れができてしまえば、そこから雨水が入り、さらにトラックの重さでひび割れが進行して短時間で陥没する状態となってしまうのです。
◉アスファルトの劣化を放置するとどうなるのか
コンクリート舗装に比べて、アスファルト舗装は耐用年数が低いです。そのため、定期的なメンテナンスが必要です。
ひび割れや陥没の症状を放置しておくと、以下のような問題が生じます。
- 車のタイヤに悪影響を与える。パンクしてしまうこともある。
- 歩行者がつまずいて怪我をしてしまうことがある。
- 水溜りができてしまい、跳ねた水で車が汚れたり歩行者にかかったりする。
このような問題が起きないためにも、早めに補修を行う必要があります。
◉アスファルト舗装のやり方
アスファルト舗装には、さまざまなやり方があります。ひびの深さが浅い時にはシートタイプの補修材やスティックタイプの補修材、アスファルトが砕けてしまっている場合にはパッチ剤なども市販されています。しかし、どれも乗用車が通るアスファルトが想定されており、トラックが頻繁に走行するようなアスファルトでは応急処置をしてもすぐに剥がれてしまいます。運送会社などのアスファルト舗装は、業者に依頼する必要があります。
業者に依頼するアスファルト舗装の金額は地域や地盤などによって異なります。アスファルトの単価に加えて、掘削、路盤、表層の価格が含まれ、さらに重機運搬費や諸経費を加えると数十万円の出費になってしまいます。
アスファルトを保護する方法とは?
上記の通り、アスファルト舗装には莫大なお金がかかります。そこで、舗装した後に少しでも劣化するまでの期間を延ばすために、次のような保護の仕方があります。
コンクリート舗装にする

アスファルトを敷いている場所をコンクリート舗装にしてしまうのも一つの方法です。コンクリート舗装とアスファルト舗装を比べると、以下のようなメリットやデメリットがあります。
コンクリート舗装 | アスファルト舗装 | |
メリット | ・耐用年数が長い・維持管理コストが低い・耐熱性があるコンクリート舗装はアスファルト舗装よりも初期費用はかかりますが、その分耐久性があるので、長い目で見ると管理コストが低いと言えます。 | ・単価が安い・静音性があり、騒音を引き起こしにくい・工事時間、施工時間が短い・排水性がある |
デメリット | ・初期費用が高い・追加工事がしにくい・継ぎ目があるので、騒音を引き起こしてしまうことがある | ・耐久性が低い・耐熱性が低い |
以上のように、どちらにもメリットとデメリットがあります。土地の性質や費用などを考慮して決める必要があります。
敷鉄板を設置する
アスファルトのひび割れの原因の一つは荷重です。20t以上あるトラックが頻繁に通行するので、その都度アスファルトに負担がかかるのです。
その荷重を分散させるために、アスファルト補修が終わった後に、トラックが頻繁に通る箇所に敷鉄板を敷く方法があります。敷鉄板は、工事現場などでよく使われるもので、土地の養生をすることができます。
敷鉄板 | |
メリット | ・耐久性が高く、丈夫で頑丈・コンクリート舗装と比べて、部分的に設置できるので安く設置ができる。・下が空洞の場合も利用できるので、少しひび割れている状態からでも利用できる。 |
デメリット | ・設置する際に重機やクレーンを使う必要があり、専用の業者に依頼しなければならない。 |
プラスチック敷板を設置する
上の敷鉄板のデメリットを解消してくれるのが、プラスチック敷板です。敷鉄板と同様に、荷重を分散させる働きがあります。敷鉄板とプラスチック敷板を比べると、以下のようになります。
プラスチック敷板 | 敷鉄板 | |
重さ | 21kg | 800kg以上 |
設置 | 人の手で設置をすることができる | 重機やクレーンが必要 |
価格 | 1枚23000円(送料込) | 1枚42000円(送料込) |
プラスチック敷板の最大対荷重は120tで、20t程度のトラックの通行には問題なく利用することができます。
ただし、下が空洞の場合には設置できないので、アスファルトが劣化してボロボロになっている状態の上にプラスチック敷板を敷くと、割れてしまうことがあります。アスファルト舗装が終わった後の保護として使うことを推奨します。
実際に運送会社の敷地内にプラスチック敷板を活用した例はこちら↓
まとめ
この記事では、アスファルトに関して6つのポイントがありました。
- アスファルトが劣化したまま放置すると大きな問題に繋がりかねない。
- 運送トラックが頻繁に通る駐車場などでは、業者によるアスファルト舗装が必要。
- 業者によるアスファルト舗装の頻度を下げるために、コンクリート舗装、敷鉄板、プラスチック敷板などを活用する方法がある。
- コンクリート舗装は、長い目で見ると管理コストが低いが、初期費用が高い。
- 敷鉄板は耐久性は高いが重機やクレーンを使って設置する必要がある。
- プラスチック敷板は下が空洞の場合には使えないが、人の手で設置ができる。
それぞれの方法のメリットとデメリットを比較しながら、その土地に適した養生方法を見つけていただければ嬉しいです。