事故につながる前に確認。プラスチック敷板を推奨できないシーンや使い方。耐荷重だけで判断すると破損の危険性も!
- プラスチック敷板
プラスチック敷板の耐荷重や適した使い方と、NGな使い方についてまとめました。
プラスチック敷板は安価で耐荷重もあるので、いろいろな使い方ができます。
しかし万能ではなく、誤った使い方をしてしまうと事故を引き起こすことも・・・
こんな使い方は大丈夫?
プラスチック敷板の耐荷重や適した使い方はある?
など、プラスチック敷板のNGな使い方などをまとめました。
あるいは、
- 強度がどのくらいあるのかわからない
- 側溝の橋渡しやマンホールの蓋の代わりに使ってもいいの?
などといった悩みも多いようです。
このエントリーでは「正しい使い方」「プラスチック敷板に向かない使用方法」について解説していきます
プラスチック敷板には合わない使い方がある
プラスチック敷板は、耐荷重以上の重さが掛かる場合には使用できません。
理由は、亀裂が入ったり割れてしまう危険があるからです。
例えば以下のようなケースは安全に使うことができません。注意が必要です。
- 下が空洞になっている
- 地面が柔らかすぎる
プラスチック敷板は鉄敷板のように、強度や硬度が高いわけではありません。
※強度と耐荷重については後の見出しで解説します。
プラスチック敷板の最大耐荷重は80トン前後です。
この数値は「平らで頑丈な地面の上で、80トンの重さに耐えることができる」ということを意味します。
よく、プラスチック敷板がどんな状況でも80トンの重さに耐えることができる、と勘違いされますが、これは間違っています。
重さに耐えるには条件に見合った使い方をしなくてはいけないのです。
・プラスチック敷板の耐荷重は80トン
・ただし、平らで頑丈な地面に敷いた場合に限る
・不安定で平らではない地面の上では80トンの重さに耐えられない
耐荷重以下でも事故につながる理由・ケース
耐荷重をクリアしていても危険な使い方は、注意が必要です。
- 側溝の橋渡しに使う
- 段差の上にしいてその上を車両が通る
側溝のように下が空洞を担った状態で重さがかかると、集中荷重という力場が発生します。
集中荷重とは、物の一部分に集中して重さが掛かっている状態のことです。
反対に、ものの表面全体に均等に重さがかかっている状態を等分布荷重といいます。
集中荷重 物体の一部分に強い力がかかっている状態
等分布荷重
部分的にかかる重さが変化すると、集中荷重が発生します。そして集中荷重がかかった部分にはたわみが発生します。
たわみ 重さがかかって歪んだ部分
プラスチック敷板にたわみが生じると、敷板の大きさが変わってバランスを崩しやすくなり、上に乗った車両や荷物が転倒してしまうかもしれません。
つまり、橋渡しのようにたわみが生じるような条件でプラスチック敷板と使うと、耐荷重以下の重さのものが乗った場合でも事故や破損を引き超す原因となり、とても危険なのです。
集中荷重によってたわみができる
たわみが生じると敷板の形が変わってバランスが崩れやすくなる
上に乗った車両や荷物が転倒しやすく危険
敷板を選ぶ時に注目すべきなのが、強度です。
強度とは、どのくらいの力が掛かっても壊れずに耐えることができるのかを示した数値です。力がかかるというのは、引っ張ったり押したりすることも含みます。
耐荷重と強度の違い
耐荷重と異なるポイントは、耐荷重が表面一方向に掛かる力に着目するのに対して、強度とは資材全体にかかる力に着目している点です。
耐荷重 表面にかかる力に耐える力
強度 全方向からかかる力に耐える力
プラスチック敷板は強度が低い分、湾曲した地面にもフィットしやすい特性があります。
しかし、たわみを生じやすいというデメリットがあるため、荷重が大きく変化する溝や段差のような場所では使うことができません。
段差の養生や溝の橋渡しに使用するのなら、20,000kgf程度の強度が必要になります。
kgf(重量キログラム)とは強度を表す単位の一つで、20,000kgfでトラック約一台分の重量に耐えられる強度を持っていることになります。
プラスチック敷板は、縦方向や横方向に掛かる力や温度などの影響に弱い性質を持っています。そのため、強度がかなり低くなってしまっているのです。
・耐荷重…物体の表面にかかる力への耐性
・強度…物体の全方向にかかる力への耐性
・kgf(重力キログラム)…1キログラムの重さに働く重力
正しい使い方を覚えればプラスチック敷板のメリットは多い
プラスチック敷板に適した使い方は、以下のような地面の上です。
- 平らで硬い地面
- 畑などのある程度柔らかい地面
- 砂利の地面
- 砂地の地面
- 芝生の上
つまり、ある程度硬さがあって、極端な段差がない状態ならば快適に使うことができるということです。
特に畑のぬかるみ解消や、芝生の養生、砂利の凹凸解消などに適しています。プラスチック敷板は強度が低い分、地面のくぼみなどにフィットしやすいのです。また湿気や水分にも強く、劣化しにくいことが鉄敷板に比べて優れています。
ちなみに敷板ネットで扱っているプラスチック敷板は、一般的なプラ敷板に対して曲げ強度と圧縮強度が40%高く、たわみが生じても折れにくくなっています。また、耐荷重も高いことが特徴です。
こんな場合にプラ敷板を使うのはOK?NG?
プラスチック敷板を使ってもいいか判断しづらいケース、またはプラ敷板を使ってはいけないケースについて表にまとめました。
なぜ使えないか、どうやって対策をしたらいいのかも紹介しているので、参考にしてください。
プラスチック敷板を使わないほうがいい用途一覧
用途 | 使ってはいけない理由 | 解決策・どんな敷板が向ているか |
---|---|---|
側溝の橋渡し | 敷板がたわんで車両がバランスを崩す集中荷重によって割れてしまう | 鉄敷板を使う強化繊維プラスチックなど強度の高いプラスチックでできた敷板を使う |
段差のスロープ | 段差による接地面の荷重の違いで集中荷重がかかり、割れてしまう | 段差を土で埋める段差の角度に合わせて木材を添わせる |
マンホールの穴を塞ぐ | 集中荷重が発生して割れてしまう | プラスチック製の蓋で穴を塞いでからプラスチック敷板を敷く |
柔らかすぎる土地の養生 | 大きくくぼんでしまって危険 | 砂利や土を敷いて強度を出すコンクリートで舗装する鉄敷板を敷く |
クレーン・高所作業車のアウトリガー | 耐荷重以上の重さが掛かって耐えられない | 敷板の上にアウトリガーベースを敷く |
斜面での使用 | 滑ってずれてしまう | アンカータイプの固定金具で固定する斜面が柔らかいと金具ごとずれてしまうので使用しないほうがいい |
溶接など火を使う場合 | 解けてしまう | 耐熱シートを敷く |
敷板を2枚重ねで使う | 滑ってしまう | 敷板がずれないように結束バンド穴に通してで固定する |
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