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知っているようで知らないゴムの素材とは?-合成ゴム編-

知っているようで知らないゴムの素材とは?-合成ゴム編-
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弊社でも販売しているゴムマットの原料「ゴム」の中でも、前回は「天然ゴム」についてご紹介しました。
今回は、「合成ゴム」について、ご紹介します。

1.合成ゴムって何? 

合成ゴムは、石油を主原料として人工的に製造される、合成高分子化合物の総称です。天然ゴムに似た性質をもっており、耐熱性・耐油性・耐薬品性・耐摩耗性などにすぐれています。天然ゴムに比べ、品質が安定しているのが特徴です。

2.合成ゴムの誕生には戦争が大きく関わっていた

合成ゴムは、ドイツで最初に開発・工業化されましたが、その背景には戦争が大きく関わっていました。その当時、合成ゴムの製造に力を入れていたのは、天然ゴムの生産拠点を持たず、ゴムの入手に苦慮していたドイツや米国です。
1933年、ドイツのIG(イー・ゲー)社が世界で最初の合成ゴム「ブナS」の開発に成功し、世界に先駆けて合成ゴムの工業化を果たします。その当時、政権を握っていたヒットラーは、軍需資材としてゴムの重要性に着目。軍需向けとして、増産の計画を進めました。
一方米国は、第二次世界大戦まで天然ゴムはイギリス、ドイツから「ブナS」などを輸入していましたが、イギリス領は日本軍が占拠。そしてドイツとの開戦で、ゴムが入手困難な状況になります。そこで、当時の大統領 ルーズベルトは、合成ゴムの製造を国家プロジェクトとして推進し、国産化していきます。
日本は、1930年代から東南アジアに派兵し、天然ゴムの産地を占領。第二次世界大戦中の1959年、軍用の製品を作るため国産化がはじまりました。

3.合成ゴムの種類と用途

現在市販されている合成ゴムは100種類以上あるとされていて、科学構造の違いから下記に分類されます。

  • ジエン系(R)
  • オレフィン系(M)
  • 多硫化系(T)
  • シリコーン系(Q)
  • フッ素系(FK-)
  • ウレタン系(U)
  • エーテル系(O)

また、用途別では「汎用ゴム」と「特殊ゴム」に分類されます。「汎用ゴム」は、幅広い用途に使用されているもの。「特殊ゴム」は、主に工業用部品や自動車部品などに使用されるもので、天然ゴムにはない特性(耐油性・耐熱性・耐候性など)が向上したものをいいます。
ここでは、合成ゴムの主な種類をご紹介します。

SBR(スチレン・ブタジエンゴム)

天然ゴムの代替として開発され、最も多く生産されている合成ゴムの代表格。耐熱性・耐摩耗性にすぐれ、加工がしやすく天然ゴムや他の合成ゴムとのブレンドも容易なのが特徴です。現在では、低燃費タイヤ向けに需要が拡大しています。

用途:車のタイヤ、靴底、ベルト、床タイルなど

合成ゴム-ゴムタイヤ

BR(ブタジエンゴム)

SBRに次いで、流通量の多いゴムです。反発力が大きく、耐摩耗性にすぐれていますが、強度はあまり高くないので、他のゴムと混合して使用されることが多いです。

用途:車のタイヤ、ゴムベルト、卓球ラケット、靴底など。
卓球のラバーや靴底など、スポーツの世界でも様々なゴム製品が使われていますね。

合成ゴム-卓球のラバー

CR(クロロプレンゴム)

耐候性、耐オゾン性、耐油性、耐磨耗性、難燃性、耐熱性など優れた特性をバランス良く持ち、 加工しやすいのが特徴です。低温時に結晶化しやすく、亀裂等の原因になるため、使用環境に気をつける必要があります。

用途:自動車用部品、接着剤、塗料、電線、防振ゴムなど
接着剤の原料にゴムが使われていることを、今回初めて知りました。

合成ゴム-電線

NBR(ニトリルゴム)

耐油性が高く、シール材に欠かせないゴムです。耐摩耗性などもすぐれており、幅広い用途で使われています。耐候性・耐寒性は低いので、直射日光や温度変化の激しい場所での保管は注意が必要です。

用途:オイルシール、自動車用部品、作業・炊事用手袋(ゴム手袋)など
指先にニトリルゴムがコーティングされた手袋、使っている方も多いと思います。汚れも落ちやすく破れにくくて便利ですね。

合成ゴム-ゴム手袋

IIR(ブチルゴム)

ガスや空気を通しにくい性質が特徴です。耐候性や防振性、耐薬品性や耐熱性にもすぐれているので、生活用品としても広く使われています。

用途:タイヤのインナーチューブ、電線被膜、防振材、家電・オーディオ機器の防音材など

EPM、EPDM(エチレンプロピレンゴム)

ゴムの中では最も軽いゴムで、耐油性でない唯一の特殊ゴムです。発色性がよく、人畜無害とされることで、遊具などにも用いられています。

用途:自動車・工業・建築用部品、家庭用給水・給湯器など

U(ウレタンゴム)

一般的に他のゴムに比べて引っ張りや引裂など強度が高く、耐油性・耐摩耗性にもすぐれた特性を持つゴムです。材料の配合などによって多くの種類があり、幅広い製品に使われています。

用途:自動車部品、ジェットコースターの車輪、スポーツウェア、家具・寝具など

ACM(アクリルゴム)

耐熱性や高温での耐油性が抜群にすぐれており、自動車に使用されるオイル周りのゴム材料や、高温環境で使われる部品を中心として使用されています。

用途:自動車のトランスミッション、工業用部品など

IR(イソプレンゴム)

天然ゴムと同じ化学構造をもつ、天然ゴムによく似た最もゴムらしい合成ゴムです。天然ゴムが用いられる全ての用途に使用可能で、ゴム特有の臭いが少なく価格も安定しているため、代用として使用されることも多いです。

用途:自動車・航空機用タイヤ、工業用ゴムベルト(エスカレーターのベルト)など

合成ゴム-エスカレーターのゴムベルト

Q(シリコーンゴム)

生体組織に与える影響が少ないことや酸素や二酸化炭素の透過性が他より格段高いことから、医療用機器に使用されています。耐熱性・耐寒性も高いため、食品などの日用品にも多く使われています。

用途:医療用・食品用関連機器、自動車部品など

FKM(フッ素ゴム)

他のゴムより優れている点が多く、250℃以上の連続使用にも耐えるなど、過酷な環境下で用いられる特殊ゴムです。他のゴムに比べて価格が高いため、一般層向けよりも工場やメーカーで使用されることが多いです。

用途:化学プラント、半導体関連、自動車部品など

T(多硫化ゴム)

最も古い歴史を持つ合成ゴムのひとつです。耐油性が非常に高く独特の臭いがあります。ゴムそのものが製品になるというよりも、材料の一部として使用されます。

 用途:ホースパッキン、コーキング材、接着剤など

用途はほんの一部をご紹介していますが、身の回りにあるものや何気ない場面でお世話になっているものも多く、日常にゴム製品がたくさんあることが分かります。今まであまり気にして見ていなかった製品表示ですが、今回ご紹介した合成ゴムを探してみるのも楽しいかもしれませんね。