NETISとは?(国土交通省新技術活用システムNETIS)

- プラスチック敷板
ご覧いただきありがとうございます!敷板師さき子です!
土木・建設などの工事に携わった事がある方なら耳する「NETIS」。
工事に使われる資材に、「NETIS登録製品」と書いてあるチラシや冊子をよく見かけますよね。
実は、さき子の販売している製品「樹脂敷板Wボード」も「NETIS-VE登録」されています。
でも「NETIS」って何? NETISに登録されると何か資材や工法を使うとどんなメリットがあるの? NETISについて書いてあるサイトを見ても難しい文字ばかりよくわからない。。。
なので、NETISのことを知っている専門家にお聞きし、まとめました。
NETISとは?(新技術情報提供システムとは?)
NETIS(ネティス)「新技術情報提供システム(New Technology Information System)」とは、公共工事等で活用する新技術をまとめたデータベースです。国土交通省が新技術に関わる情報を一般に提供し、新技術の活用を推進する目的で運用しています。
平成10 年度より運用が開始、平成13 年度よりインターネットで一般にも公開され、様々な新技術の情報を誰でも 容易に入手することが可能となっています。
NETISの目的
そもそも工事における新技術は、「民間企業」が発明・製造しています。
発明・新技術は、「安全」「環境保全」「コストダウン」「人員削減」など様々なメリットがあります。
そんなすばらしい技術を世の中の建設業界の方に利用してもらうのを、1企業で行うのは大変難しいことです。
そこで、国土交通省が、NETISという取り決めを作り、NETISに登録された、新技術をもっと使ってほしいと広めようとしているのがNETISなんです。
新技術ってなかなか使ってもらえないので、こういったシステムを使って企業に広めてるのですね。しかし、なぜ新技術って使ってもらえないのでしょうか?さき子なら新しいものを使ってみたいと思うのですが、新技術が使ってもらえない理由ってなんでしょうか?
NETISができたきっかけ
土木・建設業界での大まかな業務の流れが以下の図のようになります。
提案・入札
↓
受注・契約
↓
設計
↓
実行予算作成・承認
↓
施工
↓
完成・引き渡し
↓
竣工後の保守
流れの中の「設計」段階で、どういった技術を使って工事を行うかが決まります。
ただ、この「設計」の際、使う工法・資材が実績があるか調べなけれればならず、結果実績のない、「新技術」は使わないということになってしまっていたんです。
簡単に言うと、30年・40年実績がある技術しか設計に取り組めないということです。
この現状をどうにか改善するために考えられたのが「NETIS」なのです。
平成10 年度より運用が開始、平成13 年度よりインターネットで一般にも公開され、数回の改定をへて今のシステムになっています。
今では新技術の登録も増え、新技術活用工事も増え続けています。
新技術って実績がないから使われなかったのですね!NETISのおかげで、新技術活用が増えているのですね!
しかし、NETISが新技術を広めているのは分かりましたが、工事をされる方のメリットってなんでしょうか?
施工者側のNETISのメリット
施工者のメリットは、国土交通省が発注される公共工事の入札に対して得点があがることです。
試行申請型(請負契約締結後提案の場合)及び施工者希望型により施工者が新技術の活用を提案し、実際に工事で活用された場合は、活用の効果に応じて工事成績評定での加点の対象となります。
工事成績評定への加点
主任技術評価官で最大3点の加算
よって、実加点は3×40%=最大1.2点となります。
※平成25年4月現在
公共工事の入札において1点はかなり大切なポイントなんです。この1点を入れるか入れないかで入札獲得できるかが変わってきます。
公共工事は何億円の世界ですから逃さないためにもぜひ押さえておきたいポイントですね。
NETISを使うメリットが分かりましたが、NETISにもいろいろ種類がありますよね?
NETISにランクや加点がなどはあるんでしょうか?
NETISのランクについて
結論からいうとNETISにランクはありません。
ただ、国土交通省から「推奨技術」と認められると信頼がある技術ということになります。
国の工事の際にNETISの工法や資材を使えば加点となるため新技術は使っていくのがよいでしょう。
NETISの種類
NETISは下記の種類があります。
推奨技術 | 公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定された画期的な新技術 |
準推奨技術 | 公共工事等に関する技術の水準を一層高めるために選定された画期的な新技術で、推奨技術と位置づけるためには更なる発展を期待する部分がある新技術 |
評価促進技術 | 他機関等の実績に基づき、公共工 事等に関する技術水準等を高める ことが見込める技術 |
活用促進技術 | ・総合的に活用の効果が優れ ている技術 ・特定の性能又は機能が特に 優れている技術 |
評価情報として反映された技術 | 活用効果評価、試行実証評価、事前審査を行い登録された技術 |
NETIS識別記号
NETIS番号の末尾(-VE) | 継続調査等の対象としない技術 10年まで |
NETIS番号の末尾(-VR) | 継続調査等の対象となった技術 5年更新・10年まで |
NETIS番号の末尾(-V) | 従来の実施要領による評価技術 5年更新・10年まで |
NETIS番号の末尾(-A) | 評価情報が掲載されていない技術 5年更新・10年まで |
NETIS識別記号は、「-A、-V、-VE、-VR」の4種から成り立っています。
この記号に対して、「加点されるのか」の問い合わせも多いですが、こちらは加点幅や評価結果の優劣を示すものではありません。
なぜなら「活用効果評価会議にかけられたことがあるか」だけを表すものだからです。
強いて言うなら、「-A」より「-V系」のほうが有利、というぐらいです。
「推奨技術」と認められている技術はどんどん使っていった方が加点にもなるし、メリット多そうですね!
さき子なりに考えてみた新技術NETISの今後
NETISは新技術をもっとたくさんの人に広めたい!という目的で始まった取り組みです。
今後もこの取り組みが国の公共工事だけでなく、都道府県や市町村、または民間レベルの工事までNETISのように新技術を広める事業が増えるんだと感じました。
実際に、専門家から都道府県の県土整備局では新技術を取り入れる仕組みができつつあります。
※1 全ての都道府県までは分かりませんが、鳥取県ではそういった取り組みがなされています。