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八島農具興業株式会社

八島農具興業株式会社とは

八島農具興業会社概要写真_八島農具興業とは

八島農具興業株式会社は、明治30年に創業した農具の製造メーカーです。
創業当時は「稲扱千歯」という稲の脱穀に使う農具を主に生産していました。脱穀機の普及で需要がなくなって以降は、鍬や鎌などの製作に取り組み現在に至っています。
当社の転機といえるのが、大正時代に行ったプレス機や溶接機の導入です。これは当時の鍛冶屋業界において機械化は先進的な取り組みでした。作業効率が向上し、農具の量産化が可能になったからです。
ですが、今も昔も変わらないことがあります。それは、人間の感覚に頼った丁寧な仕上げ作業です。時間を掛け手作業で調整を行うことで、質の良い農具を作り続けることができました。
その結果、会社の所在地である鳥取県倉吉市を中心に多くのお客様に当社の製品を愛用していただいております。近年では、全国に向けた商品の発注も行っています。

かつて地域の鍛冶屋さんが一つ一つオーダーメイドで作っていた農具は、工業化で大量生産されるようになりました。低価格で製品を購入できるようになった一方、壊れたら捨ててしまうのが一般的になっています。これは資源や環境の保護に対する大きな課題です。
八島農具興業は、「今、何ができるか」を考え、これからも高品質な農具の生産にこだわりつづけます。修理しながら長く愛用していただける道具を作っていく、これが私達の目指すゴールなのです。

私たちのこだわり=品質をあげるために日々意識している事

私達のこだわりは、品質を落とさず良い品物を作り続けることです。
鍬、鎌などの農具から、包丁などの日用品に対し、独自の商品開発を続けてきました。特に鍬の分野では、戦前に特許を取得したものもありました。
では、製品に対する私達のこだわりについて、鍬を例に上げて紹介します。

鍬づくりのこだわり

鍬づくりについてこだわっていることが大きく4つあります。

  1. 素材選び
  2. 職人による手作業
  3. 刃先の構造を工夫
  4. 焼入れ後の歪みの調整

一つひとつ紹介していきます。

1. 素材選び

鍬の素材には、3種類の鋼材を用いています。まず母材となる鋼(ステンレスの製品もあります)、刃先部分の中心に据える鍛鋼品、刃先の両端に取り付ける刃物材の3種類です。
刃先の両端に入れる刃物材は、中心の鍛鋼品よりも強度が高いものになっています。なぜかというと、鍬は使っているうちに角の部分から摩耗していくからです。両端を固くすることで、形状のバランスを取りつつ長く使うことが出来るようになります。これを「耳鋼」といい、かつては特許を取得していました。

母材の価格は1t単位で購入すると100万円になる高価なものにこだわっています。鍛鋼品は5sというグレードのもので、これは鋳造と熱を加えた加工を経て組み立てられたものです。刃物材には鋭く加工でき硬さと粘りを持った耐久性の強い素材を選んでいます。

2. 職人による手作業

八島農具興業会社概要写真_職人による手作業

プレス機や裁断機などを導入し、早くから量産化に取り組んできた八島農具興業ですが、現在も職人による作業の工程は残っています。
後の項で紹介する焼入れもそうですが、鋼材同士をハンマーで叩いて圧着するときも、人の目による調整を行っています。
しかし、人が行う作業にはどうしても僅かなミスが生じます。こうした製品は瑕疵品といって、商品にはなりません。なので、あえて廉価な素材を用いることで瑕疵品が出た場合の損失を補填するという方法もあるのです。
八島農具興業では、逆に素材を高品質なものにすることで、加工の際にも歪みや破損ができるだけ起こらないようにしています。そして人の手の感覚や視認によるチェックを通じて、良材から良品を作り出しています。

3. 刃先の構造を工夫

八島農具興業会社概要写真_刃先の構造を工夫

素材の項でも紹介しましたが、刃先には2種類の金属を圧着、溶接しています。溶接するだけでは金属同士の接合率が安定しないので、ハンマーで何度も叩き素材同士をより密着させて強度を出しているのです。
農具は繰り返しの使用によって徐々に刃先が摩耗したり欠けたりしてしまうものです。そこでより摩擦が強い部分に強度の高い素材を用い、刃先にかかる力のバランスを取ることで、長期間切れ味の落ちない独自の刃を開発しました。

4. 焼入れ後の歪みの調整

刃先を仕上げる時、焼入れといって熱を加える工程があります。焼入れを行うと、どうしても刃先が歪んでしまいます。しかし、歪みが残ったまま使用し続けると、刃全体に対する力の掛かりかたにムラができ、鍬の受けるダメージが大きくなってしまうのです。
これを避けるには、一枚一枚の刃をハンマーで叩いて歪みをなくさなくてはいけません。経験が求められる根気のいる作業です。しかしこの工程をあえて残すことで、他社製品とは一線を画した鋭い切れ味の鍬が生まれます。

鍬の種類豊富さ

八島農具興業会社概要写真_鍬の種類豊富さ

鍬の種類も様々なものを取り扱っています。硬い土で使うか柔らかい土で使うか、どのくらい畝を高くしたいのか、どのくらい深く掘り込みたいのかなどの様々なニーズに合わせて最適な鍬を選んでいただけます。
刃の大きさも標準的なものから大型のもの、小型のものなど種類豊富です。耕起を初め、草刈りや溝掃除などの用途に対応しています。
また、ネット販売と並行して刃先と柄の角度や柄の長さ、柄の取付け方など、お客様の体型と使用目的に合わせてカスタマイズすることも可能です。ご希望のある方はぜひお問い合わせください。

会社概要

創業明治30年2月1日
設立昭和51年7月10日
代表者八島久普
事業内容農具製造、販売、修理、金属加工